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ツール・ド・熊野2011 フォトリポート

5月26日~29日の4日間「ツール・ド・熊野2011」が和歌山県と三重県を舞台に開催されました。


3月に発生してしまった東日本大震災は、被災地の方々はもちろん、多方面から日常や楽しいキモチを奪ってしまいました。自転車で言えば予定されていたレースが中止や延期になったりする一方で、イベントやライドで支援する動きもあり、それぞれが思い悩みながら自転車に関わってきたことと思います。


ツアーオブジャパンが中止となったため、今シーズン初めてとなる国内での国際レースとなったのが今回のツールド熊野でした。愛三レーシングは2月からすでに海外国際レースに参戦してはいるものの、やはり日本での国際レースは格別の思いがあります。特に熊野は過去の成績からいっても愛三レーシングには相性の良いレースと言えます。
今年は過去に総合1位を勝ち取った盛選手や、日本を代表するスプリンター西谷選手、高い総合力を持つ品川選手、粘り強い走りでチームに貢献する福田選手が出場。また今年入った新人の伊藤選手、木守選手もメンバーに抜擢されました。


タイムトライアル、厳しい山岳、アップダウンの難コースと、見所満載のツールド熊野において、スピードマン系のメンバーで挑む今年は始まる前からかなりの期待感!でした。ヨーロッパチームのNIPPOが高いチーム力で圧倒の走りを魅せましたが、終わってみれば初日TTでの西谷選手の3位から始まり、福田選手が3年ぶりにして国際レース初勝利を飾りリーダージャージを獲得。第2ステージではタイム差をつけられてしまいましたが、最終日には西谷選手が仲間の強力なアシストを受けてスプリントを制し区間優勝!とファンにはたまらない4日間を繰り広げてくれました。


今回ハシモトは最終日の第3ステージのみチームに帯同してきました。
あまりの久しぶりっぷりで、カメラの電源の消し方を忘れるくらいで・・・(本気で)。台風は近づいているし大丈夫かなという感じでした。肝心のレース写真は、カードを読まない状態のものも結構あって(凹む)、今回の西谷選手の優勝シーンを撮影してくれたサポーターのツバサさんに頼りっぱなしとなる始末。自分にガッカリなのですが、レースの様子はリポートでお伝えしているので、レース以外の部分を今回はご紹介したいなと思います。(言い訳じゃない!ハズ笑)。


ハシモトが訪れたのは熊野最終日の会場となる くじらの町 太地町。半島ですので海はすぐそこ。朝起きたときは「あ、雨だ。外出るのやだなぁ」くらいのレベルでしたが、スタート時間が11時過ぎと遅いのが幸か不幸か、スタート近くになるにつれ雨脚がどんどん強くなり風も強くなってきて・・・。ホテルのロビーにはたくさんの人が溢れ、外を眺めては「コレ、本当にやるのかな?」という感じ。開始ギリギリまで開催内容が協議されてレース内容が短縮へ。やると決まったら後は挑むだけ。


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レースには準備が色々あります。自転車はもちろん、走りにまつわる様々な機材関係の準備、補給の準備。雨なのでその対策もあるし、最終日なので撤収の準備もあったりと、ステージレースでのスタッフは本当に大変です。皆黙々と自分の仕事をこなしレースを迎える準備に余念がありません。


自転車の準備をする中島メカ
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雨のレースは特に体力が奪われます。エネルギーを1秒でチャージできるグリコさんの新商品。
ついに出ました!ジェルタイプで即効性のある補給食はスグレモノです!


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レースを待つ選手たちは、他のチームの選手と話したり、ボーっとしたり、バナナを食べたり。


ギラギラするほど塗ってもらったり・・・
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イノキ風だったり・・・
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レースの詳細が伝えられた20分後にはスタートとかなり慌しい感じになってしまいましたが、サインを終えた選手たちが続々とスタート位置につきます。あれだけ暴風雨だったのにスタート前になると奇跡的に雨があがりました。そして選手たちの表情もレースモードへ・・・。

スプリントポイントと山岳ポイントはなし、ゴールでのボーナスあり、というレース内容の変更により、愛三レーシングにとっての最終ステージの目標は西谷泰治選手のステージ優勝のみ。あまりにも明確であまりにも分かりやすいわけですが、他のチームだって同じことを考えているわけなので、そう簡単にはいきません。しかしそれをやりとげ、自分達の手でスプリントによる勝利を引き寄せなければなりません。


ゴール前の動きを確認し選手を送りだす別府監督
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第1ステージで優勝の福田選手も最終日はアシスト
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集中する伊藤選手
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ゴール前での動きに期待がかかる品川選手
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鬼のアシストで他チームに脅威を与えてきた盛選手
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ポイントリーダージャージを着る西谷選手の、この表情
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レースは無事スタート。周回数は6周となり距離も短くなりました。もともとこの太地ステージは、よほどのことがない限りそれほどタイム差のつかないコース。総合も僅差で迎えることも多くスプリント勝負が多いとはいえども、レースはなにがあるか分かりません。リーダーチームのNIPPOが鉄壁のコントロールをする中、愛三勢も常に前方で集団を押さえながらゴール勝負まで西谷選手をサポート。伊藤選手のアシストも光っていました。


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ゴール勝負と分かっているゴールを待つのはなんともいえない緊張感。カーブを曲がって最終ストレートに戻ってきた先頭は、盛選手から発射された西谷泰治選手!ただ私のいた側からだとNIPPOの選手もかなりいい感じに入ってきたので焦ったけど、蓋を開けてみれば貫禄のスプリント優勝。今年レースにいったのは3回。そのうち2回優勝シーンに立ち会えちゃいました。


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日本のレースは日本人が勝つ!の言葉通りの優勝。シビレル!
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発射台となった盛選手、品川選手も後ろでガッツポーズする快心のステージ優勝。ゴール写真でみる西谷選手の表情は、仲間と健闘を称えあうときには、いつもの人懐こい笑顔に戻る。そのギャップがファンを魅了するのです。


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喜び合う姿を見るのが本当に嬉しい。勝つことも大切ですが、思い描く走りを出し切れることもとても大切。この日はやり切った清々しさがチームを包みました。


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ハードだった毎日の疲れも吹き飛びますね!
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表彰式では区間優勝、山岳賞、ポイント賞、個人総合、団体総合がそれぞれ3位まで表彰されました。表彰台で西谷選手は「ここは太地(たいじ)町なので同じ泰治(たいじ)としてはぜひ勝っておきたかった」と、長年温めていた(笑)ギャグで喜びを語っていました。

というのは冗談ですが、日本人の意地を見せました、の言葉には責任と自身への挑戦が感じされ力強く頼もしく感じました。今後のレースも楽しみです!

チームとしては木守選手の落車などもあり心配な面もありましたが、それぞれの役割をしっかりとこなし手ごたえを感じられるレースを繰り広げることができました。そしてこの結果に満足することはなく、また新しい目標に向けてチャレンジしていってくれることでしょう。今後は6月末の全日本選手権ロードまで、選手9名が海外レースと国内レースに分かれて参戦します。応援よろしくお願いします!


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コメント(3)

お疲れ様、そしておめでとうございました。
すぐに次のレースと続いていますが、きっと選手の皆様はまたうれしいニュースを聞かせてくれる事でしょうね。

雨が続く中でのレース、選手の皆さん、スタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。
当日は結果を文字だけでしか知ることができず、すごいな~、おめでとう。と単純に喜ぶぐらいだったんですが、
レポートを読んでいくと、みんながそれぞれの役割を果たしてがんばったんだなぁ、と。ぐっときますね。
西日本クラシック、シンカラと引き続き頑張ってください。

シクロチャンネルでレース動画観ましたが、最終スプリントは強豪外国人選手と真っ向勝負で見事優勝!格好良かったです。

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