REPORT

11/13 ツールドおきなわ 第2ステージ リポート

大団円

210kmロードレース

昨日(11月13日)ツールドおきなわ第2ステージが行われ、盛一大選手と西谷泰治選手、品川真寛選手がタイム差なしの先頭集団でゴールし、それぞれ個人総合1位、個人総合2位、個人総合8位でレースを終えました。UCIポイントもそれぞれ40P、30P、3P獲得し、愛三工業レーシングチームとしてツールドおきなわ初優勝ということもあり、素晴らしい1日になりました。

レース前の作戦では、リーダーチームのドラパックプロサイクリングが前日に行われたタイムトライアルの結果から個人総合1位と2位になっていましたが、リーダージャージのThomas Palmer選手が毎年遅れていること、チームのメンバーが4人しかエントリーしていないことから、あまりドラパックだけに仕事をさせすぎると210kmの長いレースなので早々にコントロールが崩壊してしまい、最終的に追うのは総合3位・4位につけている愛三レーシングになり、そしてそうなった場合はタイム差のつく逃げができやすくなると考え、早いうちに協力をしてできるだけ長くドラパック・愛三でレースを安定させることがメインのポイントでした。

早いうちに最大3名までの少人数の逃げを作り(エントリー5名なので4名以上だと追走する選手より多くなって差をつめるのが厳しくなるため)、そこから基本2チームでコントロールして他のチームのアタックを待ち、アタックがあったら追走して最後まで先頭集団に残り、終盤は西谷選手と盛選手の2名で攻れれば攻めてリーダーにタイム差をつける動きをすること、もし厳しいようであればそのまま先頭集団でゴールすることがメインの作戦でした。

というのもこのレースはスプリントポイントとフィニッシュにボーナスタイムが設定されていないため、初日にタイムトライアルで優位に立っていて、2日目に先頭集団で離れずにゴールをすれば総合成績が確約されていて、そして愛三はタイムトライアルで2名が上位につけていたので、総合1位、2位のドラパックの選手が遅れてしまえば、2名をそのまま逆転で総合上位につけることができるからでした。

ただひとつ心配だったのは総合2位につけているAdam Phelan選手が先日行われていたツアーオブハイナンでもよい走りをしていたので(第1ステージ3位)、最終的には力勝負でタイム差をつけてゴールする必要がありました。しかしまだU23の若い選手だったのと、ツールドおきなわ初参加なので、コースを熟知している愛三の選手たちの方が有利だという思いはありました。

Th_tdokinawa2011_24473 暗いうちから準備

レースは思惑通り2名の選手が逃げ、そのうちに1回目の山岳ポイントの上りで1名になったので、コントロールするチームにとっては楽な展開でした。チームからは木守選手が基本のローテーションに入り、綾部選手が上りでペースを作りました。

レースが動きだしたのは176km地点の有銘を過ぎてからの上りが始まってから集団が活性化しました。この時点で残り約30km。終始集団をコントロールしていたドラパックはリーダージャージが遅れ2名、愛三レーシングは3名になっていました。攻める側のチームはそこまでほとんど何もしていないので、最大5名残っている状態で人数的にはとても苦しい状態でしたが、選手たちはよく耐え抜きました。

残り20km地点の大浦付近では盛選手が4名の逃げに入り総合2位の選手が焦って追走をするなど、チームとして攻めの走りもできて、うまく力を使わせることができました。最終的に愛三レーシングは3人がそのまま先頭に残ることができました。他チームの攻めの走りも強力でしたが、そのアタックも諸刃の刃になり、ライバルチームも次第に人数を減らしていきました。

するとラスト5kmの最後の上りでドラパックのPhelan選手が遅れました。その時点で集団から遅れなければ総合優勝、そして総合2位が決定しました。そこからはゴール勝負も意識して盛選手が西谷選手のために集団をまとめていきましたが、そこまでのアタックに耐えることで力を使い果たしていたので、ゴールスプリントでは5位でした。

Th_tdokinawa2011_24744

Th_tdokinawa2011_24760_4
ステージ5位の西谷選手

残念ながらステージ優勝はできませんでしたが、終始作戦通りに先頭でレースを作り実力を見せての総合優勝ができたと思います。総合上位のチームはレースを作らなければ行けないという義務の中でしっかりとその責務を果たすことは並大抵のことではありません。シーズン最後のレースでいい形で終えることができて本当によかったです。これが2011年シーズン最初で最後のステージレースでの総合優勝になりました。

Th_tdokinawa2011_25221
これで2011年シーズンのレーススケジュールはすべて終了しました。最初のツールドランカウイのステージ優勝から始まり、ツールドおきなわの総合優勝で終わることができて監督1年目としては出来過ぎのシーズンでした。強い選手のいるチームの監督は選手に支えられて本当にいろいろな経験をさせてもらえます。来シーズンはこの経験を生かしてより着実に結果を残していけたらと思います。オフシーズンの間に選手、スタッフ共に更なる進化をして2012年シーズンに帰ってきたいと思います。

今シーズンも応援ありがとうございました。

ツールドおきなわ 第2ステージ 結果

1. Yusuke HATANAKA (SMN) 5h30m38
2. Shinri SUZUKI (SMN) s.t.
3. Mariusz WIESIAK (MTR) s.t.

5. Taiji NISHITANI (AIS) s.t.
12. Masahiro SHINAGAWA (AIS) s.t.
13. Kazuhiro MORI (AIS) s.t.

DNF Takeaki AYABE
DNF Nozomu KIMORI

個人総合成績
1. Kazuhiro MORI (AIS) 5h33m10s
2. Taiji NISHITANI (AIS) 5h33m12s
3. Junya SANO (DAN) 5h33m12s

8. Masahiro SHINAGAWA (AIS) 5h33m15s

団体総合時間
1. 愛三工業レーシング 16h39m37s

ツールドおきなわ2011 結果(オフィシャルサイト)

Text:Takumi BEPPU/Photo:Sonoko TANAKA 

コメントする