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ツアーオブタイランド 選手のコメント

4月6日まで開催されていた「ツアー・オブ・タイランド」を終えチームは帰路についています。戦いを終えた選手のコメントが届きましたので紹介します。
かなり長いですが、走る選手の生の言葉はレースそのものを表しています。このコメントはどこの媒体でも聞けない言葉です。連日リポートでお伝えしてきましたが、彼らの感じたタイのレースをぜひ読んでみてください。


今回エースを務めた品川真寛選手

3戦目でエースということで調子が上がったところで行けるかなと思っていました。台湾の前半までは足の調子は良かったのですが、その後内臓からの不調があって下降気味のまま、万全の状態でエースとして臨めなかったのが残念です。
また第2ステージで落車をしてしまい、それを引きずりながらの戦いになってしまいました。それでも毎日最後までゴールを狙っていくという使命感だけで走り続けました。

今回のレースでは他のメンバーに本当に助けてもらいました。
ボトルを取りに行くことが非常に大事なレースだったので、こまめに皆にはチームカーまで下がってもらいました。そのお陰でボトルに不自由することはありませんでした。皆には本当に良い仕事をしてもらったので自分がきちんと結果を残さなくてはならなかったのに、それができなくて申し訳ない気持ちです。

うまくいかなかったこともありますが、愛三のレギュラーメンバーのエースがいない中、平坦でもがくのは自分という初めてのメンバーで戦えたこの経験はすごく大きいと思っています。
次のレースも同じメンバーなので、どうやって平坦のレースを組み立てていくのかの答えがずい分見えてきたので次が楽しみです。

今回は愛三の主力とは違う仲間にアシストしてもらったのですが、普段の練習などを通して築いてきた関係もあり、走っていて下手したら自分よりも足があったようにも感じて、本当に心強かったです。パンクで遅れたらすぐに下がってきてくれて一人では乗り切れなかったなと強く感じています。
今回のようなメンバーでの機会をチーム全体のレベルアップのためにうまく使えたら本当にいいと思います。

体調が万全でない上に落車の怪我がありハンデという意味ではきつかったのですが、ただそのボロボロの中でも、ここまではできるということがわかったのは大きな収穫です。
エースとしての使命感。皆が頑張ってくれている分自分も、そんな思いで今できることは全て出したつもりです。次のレースに向けてまずは回復をしてしっかり調整したいと思います。
今回の不甲斐無い思いを返せるようにしっかり頑張っていきます。


サブエースを務めた別府匠選手

初めてのタイでしたが様々なハプニングがありました。
コースが不思議な感じだったり、路面がすごかったり、たいていの事は個人的には楽しめるくらい受け入れられたのですが、ただ暑さだけはどうにもならなくて結果的にはレースは最後まで走れませんでした。
その中でも自分の出来ることはやったので後悔はありません。そこで課題も見えたと思っています。

そもそも最初からむらがあったんです。そこで平均的に走って何もないよりは、逆にむらを出して取れるものをとって駄目な時はだめかなという考えが最初からありました。それがうまい方向に行ったのかなと思っています。

自分は選手の中で最年長で今回はサブエースでしたが、後輩選手たちがチームとして何をしなければいけないかとか、自分がどういう役割で動かなければいけないかなど、皆きちんとわかっていたので、特に自分が口出しすることなくこうすれば良いよという程度のことしか言いませんでした。皆ちゃんと成長しているんですよね。
動きもできたし最後のスプリントでも隊列が組めたりもしているので、これを続けていけば本当に良いものができると思いますよ。いつものレギュラーメンバーがいる時はまたそれに合わせた走りをするのですが、今回は普段のアシストとして頑張っている選手のいいところがすごく出たレースだったと思っています。

今回はレースがというよりは暑さだけがきつかっただけなんです。
次のジョラジャマレーシアも暑いには暑いと思うのですが、きちんと対策を組めれば山もあるのでしっかりと見せ場は作れると思っています。
今回のようにこのメンバーでしっかり走れればチームにとってもすごくいいことだと思うので、自分もしっかり休んで次に備えます。


今回は自ら率先して皆のまとめ役をかってでた鈴木謙一選手

今回自分は初めて無線のないレースだったので最初は戸惑いがありました。補給、チームメイトの状況、タイム差などなど。ただそれも初日が終わった時には気にならなくなっていました。
今回はレース内容も逃げが決まって、リーダーチームがコントロールし追いついてスプリントと毎日似たような形でした。暑さに関しては暑い事はわかっていたので、暑い事はもちろん暑かったですがひどい熱射病にもならず、レースへの暑さの影響も自分が想定した範囲内ではあったので大丈夫でした。

食事面も初めてのタイでしたが、朝はひたすらパンを食べていました。米も日本と違う米なので自分でコントロールしていました。夜も考えながら自分の好きなものを食べられたので、味の辛さとかクセはありましたが問題はなかったです。

今回の5人での戦いに関しては、エースとサブエースが品川と別府さんで、彼らには狙わなければいけない使命がありました。 そうなると、自分が周りのことを見たりするんだなと思い行動しました。
普段のレースだったら綾部キャプテンが皆をまとめてくれているのですが、それを真似するのとは少し違いますがいつもの綾部さんを意識して行動をしました。

いつもは自分の走りだけに集中するところを、無線もない中チームメイトが集団のどのあたりにいるのか、自分の前なのか後なのか、また自分も積極的に補給を取りに行くことによって集団も見られるし、チームカーともコミュニケーションもとれるし、そんなことも意識して走りました。
綾部さんがやっていることが大変なんだなということをすごく感じました。

選手それぞれ個性もあるし、走り方も違うし、そういう皆をまとめるというよりはその走りを見て、さらに自分もどう走るかなので。
今まで普段は自分がやらないような行動をすごく意識しました。エース・サブエースがいてその他の3人(松村・真平・自分)は同じ部屋だったこともあり、凄く良く話もするように心がけました。

次のジョラジャはタイと違ってアップダウンもあるので自分の走りも活きてくると思うし、結果もおのずとついてくると良いなと思っています。
同じメンバーでの戦いになるのでよりうまく連携が取れるように頑張ります。


2010年初ステージレースの松村光浩選手

このチーム初戦を前に国内で2つレースに出て、トレーニングも当然国内ででした。
タイで走るに向けて、暑さが問題だということ、そしてレース強度での練習ができないこと、他のメンバーがレースに出ている間はどうしても一人でのトレーニングが多くなり、強度の高い練習がなかなかできないのでそこが不安な点でした。

実際タイに来て、やはり暑さにやられてしまったし、レースの強度になかなかついていけず苦戦を強いられてしまいました。それでもエースを勝たせるためのアシストという自転車レースの基本通り、ボトル運びや、逃げを吸収するなど、アシストこその良いプレッシャーと良い緊張感の中自分としては仕事をしてきました。

今回は無線なしの初めてのレースでしたがボトル運びも結構大変でした。
ただ苦戦の中でもステージを追うごとに改善し、第1ステージより第2ステージ、第2より第3と、前日の反省点を翌日すぐ改善し実行できる、ステージレースならではのことができたと思います。

今回のような主力メンバーの西谷さん・盛さんそして綾部さんの抜けたメンバーで戦ってUCIポイントをとっていくには、一人一人の負担がすごく大きくなってくると思います。
だからこそ全員が100%しっかり力を出さないとUCIポイント獲得というのはついてこない。だからミスをできるだけ少なくして効率の良い動きができるように頑張りたいと思っています。主力がいないというのは不安もありますが、逆にチャンスでもあると思っています。

全日本チャンピオンを擁するチームの一員として、全日本チャンピオンをアシストするには当然自分ももっともっと強くなっていかなくてはならないと思っています。
次の遠征に向けてしっかり準備をしてまた頑張ります。


愛三2戦目の福田真平選手

プロローグから始まった6日間、生命の危機を感じるほど今までで経験したことのないような暑さでした。そんな中具体的には暑さ対策として、補給を取りに行くタイミングをすごく気をつけてこまめに行くようにして、首にも氷を入れたりしています。普段のレースではしないようなことも今回のレースではそれがなくてはレースが続けられないような状況でした。

初戦の台湾の時は補給をお願いしてからチームカーが来るまで待つことも苦ではなかったのですが、今回は補給のタイミングを間違えたら命取りになるくらいな気温だったので2戦目とはいえ状況が全然違いましたし、無線がないことの不自由さをすごく感じました。
タイは路面状況があまり良くなく、気をつけていてもどうしても穴に落ちてしまったりしてパンクしてしまうことも何度かあったのですが、他のチームカーをうまく利用したりして諦めずに集団に戻れて良かったと思います。

今回は暑くて苦しくてきつい状況ではありましたが、だからこそ一人でも欠けたらとてもきつくなるので強い心、諦めないという思いを持って走り続けました。

品川選手と一緒に話し合いながら連携についてもやってきて、数字は残せませんでしたが、次につながることをたくさん経験できたし、すべてがプラスにつながってくれると信じています。
暑いレースには慣れたので、5人でうまく連携をして次のマレーシアでまた頑張りたいと思っています。

コメント(1)

非常に貴重なコメントありがとうございます。ああそうだったんだ・・。とひとつひとつにうなづきながら。

次回にはかならず生きるなにかが、確実に積み上げられているようですね。楽しみにしております。

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