REPORT

6/1-6/2 第21回ツール・ド・熊野2019 第2ステージ・第3ステージ レポート

ツールド熊野
第2ステージ
109.3km

ツールド熊野第2ステージは熊野市の山岳コースを走るステージで、この結果でおおよそ個人総合順位が決まるため、各チームにとって重要なステージです。しかし、第1ステージでメイン集団が6分遅れたため、個人総合争いは17名に絞られており、スタートから活性化していくことが予想されました。

愛三の作戦は、草場の個人総合と言いたいところですが、草場が山を苦手としているため、逃げに乗っていくことを目標にして、個人総合の動きを見ながらステージ優勝を狙っていくこと。そして草場とクリスティは個人総合のために可能な限り前で走ることを目指しました。

予想通り逃げに乗りたいチームが多いため、スタートからアタックが頻繁にかかり集団は一列の状態が続きました。30km地点の1回目の千枚田の上りに入ると、キナンのガルシア選手がアタックを仕掛けて数人前を行っていたグループをパスして一人で逃げていきます。そしてそのまま札立峠に入っていきました。後続のグループでは住吉とモニエがいい位置で上りに入り、第2グループで山を越えました。その後ろの第3グループには早川とクリスティが入りました。各グループのペースは同じくらいで、なかなか差が埋まりません。2回目の千枚田の後に住吉・モニエのグループと、早川・クリスティのグループは一緒になりましたが2回目の千枚田再びバラバラになり、モニエが第2グループ、クリスティが4名の第3グループに入りました。その後のフィニッシュまでのアップダウンでモニエのグループはメイン集団に合流。モニエはトップから29秒差のステージ20位でフィニッシュ。クリスティは追いつけず、しかしタイム差を最小限にとどめトップから1分15秒差のステージ30位でフィニッシュしました。

登坂力の差が大きく出るステージになりましたが、第2グループが最後の最後でメイン集団に追いつくことができたことから、山で遅れても最低限そのグループに残ることができればステージ狙いの勝負ができるステージでした。チームの総合力が問われるステージになりました。

Tour de Kumano 2019 Stage2 Result.pdf

第3ステージ
104.3km

ツールド熊野第3ステージは、太地町の周回コースを回るコースで、テクニカルなコースレイアウトから毎年荒れる展開になります。今年はさらにラスト1.5kmで道の駅の駐車場を抜けるレイアウトになり、さらにテクニカル度が増しました。そして追い討ちをかけるように雨が降る厳しいコンディションの中行われました。

愛三は岡本隼のスプリントを狙うことを目指しましたが、毎年個人総合争いの激しいアタックが繰り返されるので、逃げに乗ってステージを狙うことも視野に入れました。

レースがスタートすると序盤から総合狙いとステージ狙いの強力な選手たちのアタックが続きます。ようやく7名の逃げが決まり、強いメンバーが揃いました。7名はいいペースで逃げ続けましたが、後続はマトリックスのマンセボ選手がほぼ一人でメイン集団をハイペースで引き続けます。その間メイン集団後方では、雨でテクニカルなコースを危険と判断した選手たちと、そのハイペースが苦しい選手たちが大量にレースを諦めていきます。特に個人賞に関わっていない海外招待の外国人選手たちは、この状況にメリットを感じずやめている印象でした。

レース中盤までにメイン集団は約半分まで減少していました。そして残り50kmを切ってからほぼマンセボの身の引きでタイム差が詰まっていき、逃げを吸収してスプリントに持ち込めるくらいのタイム差になっていたので、チームとして先頭に出て仕事ができるかと思いましたが、マンセボのペースが速く前に出ることすら許されません。そしてマンセボの勢いが弱まると逃げグループとのタイム差も開き始めて、逃げきり確定のムードになります。愛三では岡本が先頭の残っていたので、チームとして集団スプリントに持ち込めたらと思いましたが、いまひとつ力不足でした。岡本はメイン集団の7番目でフィニッシュしてステージ14位でレースを終えました。また、草場と住吉が完走してチーム総合の順位がつき、8位で終えました。

Tour de Kumano 2019 Stage3 Result.pdf

TOJ、熊野と連戦をして、選手たちの可能性を感じると同時に、チームとして皆で協力して成長をし、彼らの可能性をより引き出さなければならないと感じました。レースを前で展開する意思やレースを走ることへの責任感がチームの結果や雰囲気にも大きく影響をしています。プロ選手として、世界を目指す選手として、何を目指してどのように活動していくかは非常に重要です。経験が浅いと目標設定やコンディションもまだ不安定なことも十分に理解できますが、時間は待ってくれません。気づいたらすぐにベテランの域に入っています。目指す場所と活動する環境はイコールになっていくものなので、今後大きく羽ばたけるかどうか皆でもう一度自分たちを見つめ直して出直します。

若い選手たちは日々悩み、葛藤しながら頑張っています。引き続き愛三工業レーシングチームへのご声援お願いいたします。応援ありがとうございました。

Kumano_bustour.jpg
今回初めて行われた鯱バスによる名古屋駅発着のツールド熊野観戦ツアーの皆様と一緒に写真撮影

Text : Takumi Beppu

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