REPORT

6/1-6/3 第20回ツール・ド・熊野 第1〜3ステージ レポート

第20回ツール・ド・熊野
第1ステージ
赤木川清流コース
15.4km+16.3km×6周=113.2km

ツール・ド・熊野第1ステージは新宮市役所前をスタートして、熊野川温泉さつき前のフィニッシュラインまでパレードスタート。そこから16.3kmの往復コースを6周する113.2kmで行われました。愛三工業レーシングチームは住吉と黒枝と岡本でスプリントでの優勝を狙う。レースはスタートからアタックが複数かかり、なかなか逃げが決まらず集団は不安定な状態で進む。3周回目の山岳ポイントを皮切りにメイン集団のペースが上がり、集団は一度分裂。その後、集団は1つに戻るもコース中盤の長井トンネルで落車が発生。その余波でコースの中心を仕切るフェンスが倒れてしまい、コースが走行不可能になりレースが一時中断。大会主催者とコミセール、各チームマネージャーが集まって話をして、レースが事実上キャンセルすることが決まりました。しかしながらこの大会を準備してきた大会主催者の皆さんや、地元や遠方からきてくださったファンの皆さんのためにニュートラルでのレース走行を2周して終えることが決まりました。チームとしてはステージ優勝の可能性があっただけに残念な結果になってしまいましたが、選手の安全や大会の開催の継続を考えるとやむを得ない結果だったと思います。今後よりよくなっていくことを期待しています。

Tour de Kumano 2018 Stage1 Result.pdf

第2ステージ
熊野山岳コース
109.3km

第2ステージは熊野山岳コース。登坂距離3kmの丸山千枚田を2回と登坂距離6kmの札立峠を上る険しい山岳コースで、毎年ここでおおよその個人総合順位が決まります。愛三工業レーシングチームは、モニエと野本を中心に総合順位と区間を狙いました。スタートして9名の逃げ集団が形成され、そこにモニエが入りました。9名は各チームのエース級の選手が多く入っていたため、後続ではそこにエース級の選手を入れることができなかったチームが1回目の丸山千枚田の上りでペースアップ。後続のメイン集団は一気にばらけて追走に11名、メイン集団が20名ほどに絞られました。野本は11名の追走グループに入っていたのですが、あまりのハイペースのためメイン集団に戻りました。メイン集団は住吉と岡本が入っており、野本とともに前を追いました。追走の11名から4名のみが先頭に追いつき、先頭は13名になり札立峠を越えました。その後2回目の丸山千枚田でモニエは遅れてしまい、独走で前を追い続けます。後続では住吉にサポートされた野本が千枚田でアタック。先頭に入っていたU23賞1位の選手を千枚田の山頂でとらえて、絞られた6名でフィニッシュを目指しました。モニエは後続から追い上げてきた3名の選手にパスされてトップから2分20秒差のステージ12位でフィニッシュしました。野本は6名でそのままフィニッシュしてトップから5分20秒差のステージ22位でフィニッシュしました。野本はU23賞1位になりホワイトジャージを獲得しました。また愛三の選手は全員完走したので、最終日のステージ優勝に希望を託します。

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Tour de Kumano 2018 Stage2 Result.pdf

第3ステージ
太地半島周回コース
10.5km×10周=105km

第3ステージは太地半島の周回コースを10周する105km。今年から一部コース変更があり、2017年8月に開業した道の駅たいじの前を通過して国道42号からくじら浜公園のフィニッシュラインに向かうレイアウトになりました。第2ステージの結果から、個人総合争いが激化しており、リーダーチームのシマノレーシングチームを崩す動きと、そこから総合逆転・ステージ優勝を狙う動きがあることが予想されました。愛三の作戦は逆転を狙う逃げに入ることと、もし決まらなかったら集団に残りステージ優勝を狙うこと。レースはスタートから非常に早い展開で、7名の逃げが決まりそこにモニエがはいりました。リーダーチームのシマノは逃げを捕まえるためにメイン集団を牽引。徐々にアシストを減らしていきましたが、5周目にはリーダーがアタックに反応してそこまでに決まっていた逃げを吸収しました。そこからさらにアタックがかかり、メイン集団は2つに分裂。愛三は前方に選手を入れることができていなかったのですが、モニエが捨て身の牽引で野本と黒枝を前方の集団にブリッジ。先頭21名に2名を入れることに成功しました。その後はその集団は無理に牽引してアタックが頻発することを嫌って、数名にアタックをさせて1分前後でコントロール。スプリントでのフィニッシュの可能性は低くなってしまいました。最終的に4名の選手が集団からアタックして行きそのまま逃げ切り。集団のスプリントでは黒枝が先頭のステージ5位、野本がステージ9位でフィニッシュしました。終わってみると完走36名の厳しいサバイバルなレースでした。野本はU23新人賞を守りました。チーム総合も6位でレースを終えました。

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Tour de Kumano 2018 Stage3 Result.pdf

今年のツールド熊野では、第1ステージのキャンセルによりUCIポイント獲得のチャンスが減ってしまい、さらに最終ステージの展開も激しいものになり、チームとしては予想外にレースが難しくなってしまいました。しかしながらそんな中でも各選手が役割をこなし、現状のチームでできるベストを尽くしました。このような経験を繰り返し、本当に「強いチーム」になり、目標を達成する可能性を高めていきます。

Text : Takumi BEPPU
Photo : AISAN Racing Team

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