REPORT

11/16-11/20 Tour of Fuzhou 2016 総括レポート

Tour of Fuzhou 2016

2016年11月16日(水)~11月20日(日)までの5日間、5ステージで行われたTour of Fuzhou に昨年に続き参戦を果たした。今年からUCI2.1クラスに格上げとなった今大会は、各国から22チームの精鋭が集まるハイレベルのレースとなった。

愛三工業レーシングチームは綾部勇成、福田真平、伊藤雅和、小森亮平、黒枝士揮の5名でエントリーして、スプリント、山岳でも狙える布陣で臨みました。

第1ステージから山頂ゴールが控えた初日。山岳のエースである伊藤を主軸にまずは総合での上位を狙う。レースは序盤にできた逃げを追う展開で最後の登りに差し掛かり、チーム全員で伊藤のサポートに徹する。しかしこの日は伊藤の調子が思わしくなく、山岳に強いイラン勢の猛攻に耐えきれず失速。結果的にチームとして上位に愛三の選手を送りこむことができなかった。

第2ステージよりステージ狙いに切り替えた愛三は、この日よりスプリント勝負一本で黒枝をエースに立てる。黒枝は夏場からの怪我が治りきらず、不調ではあったものの、本人のチャレンジする気持ちを尊重した上でのエース起用だった。

レースは中盤に決まった3名を追う展開で、盤石にリーダーチームが3名との差を詰めているかに見えたが、終盤で思うようにタイム差が縮まらず、愛三も牽引に加わるものの、あと数秒を残して2名の逃げ切りを許してしまった。後続では集団スプリントに臨んだが連携が噛み合わず、福田、黒枝がそれぞれ13位、14位でのフィニッシュとなった。

第3ステージは途中に2級と3級の山岳を控えるタフなコースレイアウトだったため、序盤に逃げを打って前方で勝負する作戦で臨む。しかし、レースは万全のチーム力を誇るイラン勢に支配され、簡単には逃してくれない。決定的な逃げができないまま、最後の山岳を越えたころには先頭集団は40名程に絞られ、愛三は綾部、伊藤、小森の3名が先頭に残った。集団ゴールが濃厚となり小森でスプリント勝負に臨んだが、うまくポジションをとれず失速。チーム最高位は綾部の13位であった。

4日目の第4ステージは今大会最難関の山頂ゴールを控えるアップダウンを基調としたコース。復調の兆しが見えた伊藤をこの日はエースで起用し、上位ゴールを目指した。レースは序盤にできた逃げを追う初日と同じ展開で進む。山岳の始まる麓付近で先頭の逃げを吸収した集団はハイペースで駆け上がり、これに伊藤が食らいついていく。初日同様、イラン勢の猛攻に耐えるものの、残り5キロで先頭から遅れてしまう。しかし、この日は最後まで全力を出しきり、21位でフィニッシュして、総合を43位から26位に押し上げる気迫を見せた。

最終日となる第5ステージは福州の街中を走る周回コースで行われ、再度この日は黒枝のスプリントで勝負する事とした。レースは常にハイペースで進み、逃げができたのは中盤以降というタフな展開。ゴールまで僅かな距離しか残されていなかったため、早めの対処をしないと追いつかない状況の中、スプリントを狙う他チームと共同して先頭を追う。

残り5キロを切ったあたりで先頭との差は20秒。ギリギリのラインではあったが、詰め切れると確信し、スプリント体制に入る。

残り2キロ、差を数百メートルまで詰めていたものの、集団の追走スピードが一瞬鈍り、先頭グループから飛び出していた3名を取り逃がしてしまう。後続集団で最終コーナーを先頭で立ち上がった愛三は完璧なリードアウトで福田、黒枝の順にそれぞれ4位、5位でフィニッシュした。完全に捉えきれていれば1・2フィニッシュの可能性もあっただけに悔しい結果となった。

今大会は序盤のつまづきを後半で挽回できたことが良かったが、UCIポイント獲得まであと一歩という結果が悔やまれる。今大会で得られたものは翌年で必ず生きたものにしていきたい。

また、中国でのレース参戦は近年非常にハードルが高くなっており、日本人のみで構成されたチームが2年連続で参戦できたことは非常に意味が大きい。

このレースの参戦にあたっては関係各位の努力によって成し遂げられており、その並々ならぬご尽力に感謝したい。

Text : Taiji NISHITANI

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