REPORT

6/29 第83回全日本自転車競技選手権大会ロードレース リポート

第83回全日本自転車競技選手権大会ロードレース
15.6km×14周 = 218.4km

2014年の全日本選手権ロードレースは2011年、2012年と同じ岩手県八幡平で行われました。今年は愛三工業レーシングチームが一番人数の多い9名でのエントリー。近年はチームに外国人選手を登録するチームも増えたため、所属選手が日本人のみの愛三が多くなる形となった。

一部の選手たちはツアーオブイランからそのまま参戦のため若干の疲労を残していたが、高地でのレース明けだったので本人たちが感じているよりもライディングでのパフォーマンスは上がっている印象。レースの全体的な流れとしては、全日本選手権で毎年上位を占める選手たちと渡り合うことが第一であり、可能ならば直接対決の力勝負で悔いのない走りをしたい。またそこで9名参加というところをどう生かせるかがポイントとなった。前日のミーティングでは誰がどこで攻めていくかを話合う。基本的な作戦としては序盤の逃げにも人数を乗せ他チームにプレッシャーをかけ、中盤であるであろう追走にも人数を乗せて、後半の勝負所を優位にするという作戦。

レースがスタートすると11名の逃げ集団を形成。そこに綾部勇成と平塚吉光が乗る。比較的上りが上れる2名が入ったことでチーム的には集団待機をして次の動きに備える。もしここであまり上りが得意でない選手が入った場合は中盤の追走でも積極的にチームで引くことになったが、この2選手では後半でも動けるという判断で中盤でもそこまで積極的に追わなかった。

そこで思惑と少々異なる動きがある。集団のペースが安定せずに止まってしまう。確かにすべてのチームが逃げにメンバーを乗せていたが、明らかに勝負ができにチームも追走に参加しない。これが全日本選手権の特別なところで、各チームの参加人数が違うのにチームプレーが発生して、それが展開に著しく影響をするところだ。言い換えると愛三は9名いたのでチームプレーを使わざるを得なかったが、他チームは1名から3名くらいの少人数での参加なので大人数のチームに頼らざるを得ない。少人数では11名の逃げ集団に対してコントロールできる状況でない。かといって少人数のチームが協力をして追走するかというと、完走目的の選手が多く協力体制は生まれない。これが誤算となり後半の展開に大きく影響を及ぼした。

結局後続の集団は何度もふるい落としをかけるも先頭の11名に追いつける程の勢いを持つことができなかった。またそのふるい落としが強力で、多くの選手(そこそこ実力のある選手も)が脱落することになった。逆に最初の11名に入った選手たちは(それがチームの仕事とはいえ)最終的に勝負するエースの選手になった。あとはその中での勝負だったので、その11人の中での強さが勝負の決め手になった。あとから考えると後半勝負の選手はお見合いをしていたので、中盤勝負の選手をあと1名先頭に加えていたら展開は変わっていたかもしれない。次回は決してギャンブルではなく、自信を持ってレースを組み立てられるようにしたい。

愛三工業レーシングチームの選手では、後続から前を吸収していった早川朋宏と西谷泰治がそれぞれ10位と11位が最高位となった。その後は逃げていた綾部勇成が22位でゴール。中島康晴、平塚吉光が完走した。

今回は人数が多いチームとして出場して、このような展開を予想できなかったのは監督としての未熟さがでてしまった。しかしながら負けた時程得るものは大きく、今回の結果からいろいろな角度から戦略を見ることができた。全日本選手権は毎年行われるので、今後のレースにこの経験を生かし、2009年以来の全日本チャンピオンの奪還を狙いたいと思います。

熱い応援ありがとうございました。
今後とも愛三工業レーシングチームの応援をよろしくお願いします。

text : Takumi BEPPU

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