REPORT

6/23 第82回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース リポート

全日本選手権 (National Championship)
大分県大分市野津原
15km*12Laps = 180km

今年も日本チャンピオンを決めるべく、全日本選手権に出場しました。今年のコースは例年に比べて非常に厳しく、15kmの周回のうち10kmが下りで5kmが上りの山岳コース。登坂能力とともに繰り返し高強度で走る忍耐力、そしてカーブが多く難しい下り坂をスムーズに抜けるテクニックが要求されました。

愛三工業レーシングチームの作戦は韓国で上りの調子がよかった伊藤 雅和・平塚 吉光を中心に、西谷 泰治・中島 康晴が先に逃げて他チームにプレッシャーを与える作戦。伊藤・平塚はメンバーを見て先逃げ・追走に対応する。西谷・中島は先逃げに乗れば他のチームがチェックを入れるはず。そしてその他のメンバーは状況次第では何かできることがある可能性もあるので、可能な限り集団に残ることを目標にした。

レースはスタートしてすぐに8名の逃げが決まり、そこに作戦通り西谷と中島が入る。しかしそこには優勝候補のTeam Europe Carの新城選手、Team Ukyoの土井選手も入っており、非常に強力なメンバーの逃げになった。集団は逃げにメンバーを乗せることができなかったTeam Bridgestone Anchorがチーム一丸となって逃げを追う。

そして6周目に後続集団が一気にペースを上げたときに残ることができたのは4名。そこに愛三からは乗ることができなかったが、伊藤が少し遅れて先頭を追う。この動きで先頭もバラバラになり、西谷、中島はたまらず遅れてしまう。

そこからは走行しているほとんどの選手が個人タイムトライアル状態になり、淡々とレースが進んでいった。そして最終的に独走で優勝を飾ったのがTeam Europe carの新城選手。後続に6分以上の差をつけての圧勝だった。そして愛三工業レーシングチームでは伊藤 雅和が粘りをみせ、15位くらいの位置から追い上げ、4位でフィニッシュした。若手選手が多くリタイアしている中で、力を発揮して将来に繋がる力を魅せてくれた。そして最初から逃げのメンバーに入っていた中島が粘り強い走りで10位でフィニッシュした。最終完走人数が16人と厳しいレースになったが、チームから2名の完走者を出し、UCIポイントも合計で30ポイント獲得した。

今年の全日本選手権は、韓国の疲労などもあり非常に全体的に非常に厳しいレースになったが、チームで作戦通りに機能して、若い伊藤が4位でフィニッシュしたことに非常に意義を感じた。今後このような厳しいレースを走ることがまだあると思うが、今回感じたレベルの差を十分に克服し、次回のレースではより一層のレベルアップをできていることを期待する。

今後の愛三工業レーシングチームのスケジュールは、7月3日から8月1日までチーム初となるチームでのヨーロッパ合宿を行います。レーススケジュールは7月7日に北フランスでGP de Pont à Marcq(UCI 1.2)を走り、その後はベルギー国内でのケルメス参戦、そして遠征の最後はブルターニュ地方で7月27日〜7月29日まで行われるKreiz Breizh Elites(UCI 2.2)に出場します。

愛三工業レーシングチームの挑戦を今後ともよろしくお願いします。

Text. Takumi BEPPU

NC2013-0186.jpg

NC2013-0369.jpg

NC2013-0762.jpg

NC2013-1318.jpg

NC2013-1345.jpg

全日本自転車競技選手権大会ロード・レース
結果
1位 新城 幸也(Team Europe car) 6時間17分31秒
2位 清水 都貴(Team Bridgestone Anchor) +6分15秒
3位 増田 成幸(Cannondale Pro Cycling team) +9分14秒
...
4位 伊藤 雅和(愛三工業レーシングチーム) +9分54秒
10位 中島 康晴(愛三工業レーシングチーム) +13分50秒

DNF 西谷 泰治、盛 一大、福田真平、平塚 吉光、木守 望
DNS 綾部 勇成

出走125名/完走16名

コメントする