旧サポーターズブログの記事

【インタビュー】熊野総括

今回のツールド熊野で、愛三レーシングは
総合優勝だけを狙っていた。

レース前のインタビューで『サプライズ』とされた
愛三レーシングのエースは、綾部勇成選手。

第1ステージでは、
細かなアタックが繰り返されるが決定打が無くゴール勝負となる。
綾部選手はゴールスプリントで
僅差でチームミヤタの鈴木真理選手を差せず、2位でゴールした。

第2ステージ。
山岳を得意とする別府選手と、
第1ステージで落車した西谷選手が集団のペースを上げ人数を絞り込み
先頭グループでは、廣瀬選手、盛選手が
エース綾部選手を守るように走りチャンスを窺う。
最後はゴールスプリントとなったが、位置取りのタイミングがあわず
綾部選手は5位でゴール。
この時点で、綾部選手14秒、廣瀬選手22秒、盛選手47秒と
トップからのタイム差があった。

そして最終の第3ステージ。
ここで愛三は、チームの力を最大限に発揮。
レースは1周目に、盛・西谷を含む6人の逃げグループができ
西谷選手がペースメーカーとなり積極的に先頭を引く。
後続とのタイム差が縮まらないため、残り2周でタイム差は1分55秒。
逃げに乗っている盛選手の逆転優勝狙いに作戦を変更。

最終的に先頭は、盛選手と、ブリジストンアンカー飯島誠選手の
2人に絞られる。
着順は優勝 飯島選手、2位 盛選手で
盛選手が個人総合優勝、また、愛三レーシングも初の団体総合優勝となった。


このレース展開を踏まえ、
田中監督と、個人総合優勝に輝いた 盛一大選手にお話を伺いました。


今回は「愛三の総合力、チーム力」というのが
大きなキーワードになっていたと思いますが。

田中監督
第3ステージの段階で、
うちには色んな作戦が立てられる要素があった。
だけど、西谷の引きが強く、後続との差が縮まらなかったので
総合圏内の盛で逆転優勝に急遽作戦を変更。

強い2人(西谷・盛)だから、このままのペースでいってもいい
差が詰まってもギリギリまで待っても
同じく総合圏内の廣瀬・綾部も集団にいる。
戦い方はいくとおりもあった。


盛選手は、初優勝なわけですけど、気持ち的には
やっぱり嬉しいというのが素直な感想?



うーん。「チーム総合優勝」とったのは嬉しいですよ。


個人的には?嬉しくないの?


そうですね・・・。第3ステージ、勝ってないですからね。
個人的に勝ちにこだわったレースかっていえば、やっぱり違うんで。

田中
エースは綾部だったけど、
1人だけエースで、っていう風だったら
勝負はどうなってたか分からんかったね。

今回優勝はしたけど、「本当の強さ」というならば
綾部でレースに勝つこと、
エースを立てたならエースで勝てるようにならないと
いけないのかもしれない。

でもね。選手には色んな経験をさせたいんだよ。
綾部は初エースで、色んなことを考えたと思う。
今後に乞うご期待だね。

しかし今回も、色々あった。結果的にはいい走りが見られて
やっぱりこのチームで監督やれて、よかったって思うよ。


・・・

今の愛三レーシングチームは、
日本を代表するスプリンター、
ヒルクライマー、オールラウンダーを擁しているけれど
その選手たちだって、適材適所に配置されなければ
力を100パーセント発揮はできない。
チームに明確な作戦がなければ、選手が生きてこない。
そして、作戦は、ちゃんと実行できてこそ、意味を成す。

選手達が「チーム」という言葉を発するたびに
本当にチームで戦うっていうことの意味を考えさせられます。

あと。
今回のレースで、いろんな方が西谷選手の走りについて
書かれています。
一日目に落車した西谷選手、2日目は走らないと思っていたので
正直驚きましたが、今回は素晴らしいアシストをし
チームの勝利に貢献しました。

チームの中で話されていること、
またレースを見た方が感じる思い、感動。
色々な意見、感想を読み比べていただきたいと思います。
同じチームメートの別府選手も自身のブログに記しています。
また、リーダーチームとしてレースを展開したチームミヤタの
栗村監督の目線から見たリポートもよく状況がわかり
またロードレースの魅力を再発見できそうです。

同じレースでも、いろんな風に見えること
そうやって、レースの魅力が伝わっていくことが
ロードレースファンを増やしていくことになるのだと思います。


なお。
今回初めてエースをつとめた 綾部選手にもインタビューしました。
この話しを踏まえて読んでいただければ幸いです。